1日で最も集中力が高いのは朝起きてからの2~3時間。「神・時間術」 で脳のゴールデンタイムの活かし方を考える。

精神科医、樺沢氏の著書「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」をご紹介します。本屋でちょっと目立つ表紙に「神・時間術」と大きなタイトル帯。流行りの言葉かもしれませんが、「神」とか軽く使っちゃう風潮はあまり好きじゃないのですが、時間術・時間管理的なことは常に課題でつい手に取ってしまいました。パラパラめくってみたところ、とても読みやすく、実践できそうな内容がならんでいました。おまけに著者樺沢氏は札幌出身ということで、同じ札幌出身として勝手に親近感もわいてきまして、じっくり読むことにしました。

以下、心にとまったことと実践できそうなことをまとめてみました。

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◎人の4倍仕事をして、2倍遊ぶ――。まさに神がかっている時間術! !
◎本書の科学的ノウハウを知らないと、「膨大な時間」を失うことになります。
◎この1冊で、あなたの「自分の時間」を極限まで増やしましょう! !

精神科医として、「毎日の本の執筆」「メルマガやYouTube、Facebook、ブログの更新」「病院診療」
「月20冊以上の読書と書評」「月3回のオリジナルセミナー」など、
ハードな仕事をこなしながらも、「膨大な自由時間」で趣味や娯楽を楽しみ、人生を満喫する……。

「最高の人生」を手に入れた著者が明かす、「時間術」の完全決定版!

「私ほど多くの自由時間、趣味や娯楽の時間を確保し、人生を謳歌している人は滅多にいません。それも、毎日4人分以上の仕事をこなしながらなのです――」

1日の中で、普通の人の4倍以上の仕事をこなして、2倍以上の自由時間を確保する。
そんな「神・時間術」の秘密に迫ります!

睡眠を削ることは命を削ることに等しい。「集中力」を高める特効薬は【睡眠】である。

忙しい人に限って、睡眠時間が短くなる傾向があります。睡眠時間を削って仕事や勉強に充てようとしているのですが、これは仕事の効率を確実に下げると同時に、健康も害し、命を削る行為なので、絶対にするべきではありません。日本人男性を対象にした研究で、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人に比べ死亡率が2.4倍高くなるという報告結果もあります。

集中力を減らす最たるものが「睡眠不足」ということです。著者は7時間以上の睡眠を推奨しています。これ、平日はなかなか難しいんですよね。私の場合は23:00~6:00が理想になります。23:00に寝るのがかなり厳しいですが、まずは土日にこれを目安に7時間睡眠を確保してみます。

脳のゴールデンタイムは起きてから2~3時間。集中が必要な仕事は午前中に。

睡眠中に私たちの頭の中は整理整頓されます。夢によって「前日の出来事」の記憶が整理整頓され、朝起きた直後の脳は「片付けられて何も載っていないまっさらな机」のような状態になります。

この集中力が高いうちに、クオリティの高い文章を書いたり論理的な仕事、語学学習、高度な注意力を必要とする書類作成などをやるべき、ということです。自分にとって、集中力を必要とする仕事を最優先で片付けるようにしたいですね。間違えても、メール返信や雑務のために、この貴重なゴールデンタイムを使ってはいけない、ということになります。

朝のすっきりを手に入れる5つの方法

朝に弱い人は脳のゴールデンタイムをまったく活かせていないわけで、それは一日の半分を失っているのに匹敵すると指摘します。しかし、どんなに朝に弱い人でも簡単に朝に強くなれる方法が以下になります。

  1. 5分の朝シャワー:副交感神経から交感神経に切り替わる。
  2. カーテンを開けて寝る:朝日を浴びてセロトニン活性化。
  3. 不動明王起床術:横になったまま5分間目を開けてセロトニン活性化。
  4. リズム運動:15分程度の朝の散歩でセロトニン活性化。
  5. よく噛んで朝食をとる:セロトニン活性化、脳が覚醒モードに。

「朝シャワー」は確かに一発で目が覚めますね。 目覚めがよくないとき、どれか試してみるとよさそうです。ともかく、セロトニンを活性化するには「日光」「運動」「咀嚼」の3点が重要です。

絶対にやってはいけない朝の習慣

朝起きたときの脳内の状態は、「整理されてきれない机の上」のような状態にあります。しかし、テレビというのは情報の嵐です。「テレビを見る」という行為は、そのまっさらな机に、たくさんの資料をぶちまけるようなものです。「整理された脳」が、いきなり「乱雑な脳」に変わってしまう。その状態で、高い集中力を維持することは、もはや不可能です。

視覚から入ってくるテレビの情報量というのは、やはり相当なモノのようです。「きれいな机が荒らされる」と思うと、朝のテレビは極力避けるべきなのでしょう。

読書は集中力を高めるトレーニング。読んだあとは必ずアウトプットする。

いつまでに「この本を読もう」と目標設定したら、必ずその目標は遵守してください。そうすると、電車の中でゲームをしたり、メールやメッセージをチェックしたりする暇がなくなります。どうしても、メールチェックしたいのなら、本を読み終えてからやる、くらいの意識を持つことです。そうすると、読むプレッシャー、それもほどよいプレッシャーがかかりますので、集中力が高まります。

通勤電車での読書を推奨されています。集中しないと本は読めないため、読書を習慣にする人は「対象に意識を集中する」トレーニングを習慣化していることにもなる、ということです。

本を読んだら必ずアウトプットしてください。本の感想や気づきを書きとめるということです。アウトプットをしないと、せっかく本を読んでもすぐに内容を忘れます。読書をしても何の意味もないのです。

「読んだらアウトプット」はやはり基本ですね。著者はSNSやブログへの投稿や「3ポイント・アウトプット法」という、読んで得られた気づきを3点それぞれ1行ずつ書く方法をオススメしています。これに関しては、こにブログでしっかりアウトプットを続けていきます。

雑念が出てきたらすべて紙に書き出す。未決も決断する。

進行形の出来事は、脳の記憶スペースを占拠するが、完了した出来事は、脳の記憶スペースからきれいサッパリ消去される。「そういえば、今日中に出さないといけない書類があった」とか「今日のランチはラーメンにしようかな」という雑念が何度も浮かんでくるのは「未完了課題」なので脳が緊張状態を維持しているからなのです。そんな雑念を脳内から消去するにはどうすればいいでしょうか。先ほども述べたように、雑念を紙に書き出せばいいのです。紙に書くことで「進行形」が「完了形」に変わります。

これはまさに赤羽さんの「ゼロ秒思考A4メモ」ですね。未完了の出来事は雑念としてぐるぐると頭のなかで何度も湧き上がってくる。これを書き出すことで消し去ることができる、というわけです。また、「未決を決断する」のもよいみたいです。「これは今は決めない。○月○日に決める」というように、意識的に「保留」を決断することも、脳に無駄なメモリを使わせずに済むことになります。

命がけで運動時間を確保する。まずは週1回の運動を。

「命がけ」とは大げさな、と思いましたが、長い目で見た時に「運動をしない」ということは、寿命を縮めていることになるんですね。であれば、大げさでもなんでもなく、命に関わることとして運動する時間は死守しなきゃいけないわけです。

それほど徹底できていないのですが、数年前から週末のランニングは一応続けていまして、これを機に、とにかく週末1回は必ず走る、を徹底してみます。

作り出した自由時間をメインスキルの自己投資に使う。

時間術によって生まれた自由時間を仕事のスキルアップのための「自己投資」に使いましょう。仕事のスキルアップをすれば、今までと同じ仕事をより短時間で片付けることができるようになります。そうするとさらに自由時間が生まれます。その時間を、さらに「自己投資」に使う。さらに、仕事のスキルアップをする、という自己投資と自己成長、時間創出の無限スパイラルが生まれるのです。

早起きや集中力のある時間帯に質の高い仕事をこなし、それで創出できた時間をメインスキルのアップに使う。まずはここからですね。そしてこのサイクルが回り始めれば、もう勝手に良い方向に進んで行く気しかしません。とにかく、可能なところからやってみる価値はありそうです。

ちなみに、赤羽さんの「アクションリーディング」の「おっ!と思ったページの右上を折る」をいつものようにやって読み終わると、この写真のようになりました。特段、目新しいことはなかったように思いますが、読みやすくまとめられたなかなかの良書でした。以上「1日で最も集中力が高いのは朝起きてからの2~3時間。「神・時間術」 で脳のゴールデンタイムの活かし方を考える。」でした。

実践まとめ

  • 7時間の睡眠時間をなんとか確保する。
  • 早起きをして自己投資のために時間を使う(メインスキルのアップ、文章を書く)。
  • 通勤時間はとにかく読書に集中する。
  • 午前中の仕事は集中力を要する重要な仕事をする。
  • 週末1回のランニング(有酸素運動)を続ける。
  • 寝る前に今日の楽しかったことを「ゼロ秒思考A4メモ」に書きだす。

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