「僕らが毎日やっている最強の読み方」で池上彰氏、佐藤優氏は毎日「何を」「どう」読んでいるのかを知る。

元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんとジャーナリストの池上彰さん。この二人が毎日やっている新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につけるための70の極意、なんてあるものですから、なんの迷いもなく購入しました。

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★池上彰氏、佐藤優氏は毎日「何を」「どう」読んでいるのか?
★どうすれば、彼らのように「自分の力で世の中を読み解ける」のか?
★「新聞1紙5分」「月平均300冊の読書」はどうすれば可能か?
★「スマホ」「アイパッド」「新聞電子版」「dマガジン」はどう使いこなすか?

■2人の「アイフォン&アイパッド画面」もカラー写真で公開(巻頭カラー16ページ)
■「研究室」「仕事場」「本棚」「仕事アイテム」「愛用グッズ」の写真も完全公開

「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」をどう読めばいいのか?
そこから「知識と教養」をいっきに身につける秘訣とは?

みんなが知りたかった「2人の知の源泉」が、いま明らかに!

■とてもじゃないけど全部真似できません、でも参考になることはたくさん。

このお二人は対談などの書籍も多く、色々と読ませてもらっていますが、本当に面白いんですよね。教養とかリベラルアーツと言われる分野において、このお二人の書籍は欠かせません。この本を読み終えて、とてもじゃないけどこれは真似できないよ、という内容も多くありました、私には。書籍を月300冊読んでるとか新聞は毎日11紙目を通すとか、そもそもがそういうレベルの方たちなので、まあ一般人では話にならないわけですが、そんな知の巨人たちの極意から、「おおっ」と思ったことや「これはできそう」ということを、いくつかまとめてみました。

■本選びはネットよりもリアル書店で。帯の情報が重要。

関連書籍を探したい場合は、やはりリアル書店に足を運んで棚を見るのがいちばん速い。近隣の棚からヒントをもらうこともあります。書店の棚を見ているだけで、本当にどんどん興味が広がっていくんです。

帯の情報は本選びには重要です。優秀な編集者ほど、帯にどんな情報、どんなキャッチコピーを入れるかに心血を注ぎますから。帯に力が入っている本は、それだけ編集者が力を入れている本のことが多いですね。

リアル書店、いいですよね。私もここ数年は本屋通いが趣味になっています。休日の朝一にひとり本屋さんへ行ってぷらぷら本棚を眺めるのが、今は最高に贅沢な時間のひとつです。

本屋に行くと、ちょっとおおげさかもしれませんが、今の世の中がわかります。どんな本が出ていて何が人気なのかはもちろん、最新の芸能ニュースだったり、注目のビジネスだったり、音楽業界では誰が注目されているのか、あらゆるスポーツ、IT関連、世界情勢などなど、世の中のすべてのことが本屋にはあります。私は、普段まったく興味がない分野の本棚も意識的に見るようにしています。もしかしたら、何かのアイデアのヒントに出くわすかもしれないですからね。

それと、本そのもののデザインも大変に勉強になります。表紙のデザインやブックカバー、目をひくための帯の凝り具合だったり、中身を見る前から楽しいことだらけです。

確かにAmazonなどネットで本を買えるのはとても便利で私も活用していますが、リアル書店通いは今後も欠かさず続けたいと思います。

■世の中を「理解」するには書籍がベース。

  • 世の中で起こっていることを「知る」には新聞
  • 世の中で起こっていることを「理解する」には書籍

これはなるほど、と思いました。いくら新聞やネットを熱心に読んでも、土台となる知識がないと、自分の頭で深く理解することはできない、と。その通りですね。例えば、中東の自爆テロのニュースを見て知っていても、それがなぜそこで起きているのか、それを考えたりその先を予測したりするには、中東の歴史やイスラム教の知識がないことには、考えることすらできません。新聞やネットのニュースで得られることと、書籍で得られることがそもそも違うという大前提を知ることができてよかったです。

■本の一番弱い真ん中を読んで本の水準をはかる。

「はじめにとおわりにをまず読む」というのはよく聞きますが、「本の一番弱い真ん中を読んで本の水準をはかる 」という技には驚きました。佐藤さんいわく、「冒頭と末尾は著者と編集者が売るために一生懸命力を入れてつくるが、真ん中は中だるみしがち。だからあえてそこを拾い読みしてその本の水準をはかる」ということです。これは面白いですね。作家として数多くの書籍を出している佐藤さんならではの視点でしょう。ぱっと本を見てその水準を瞬時に見極められる、いつしかそんなレベルに到達したいものです。

■「直接仕事に関係ないけど、知識・教養として知っておいたほうがいいこと」は通俗化された良書で。

がっちり時間はかけられないけど、知っておいたほうがいいこと、たくさんあると思います。そんなときは「内容を正確に、質を落とさず、わかりやすく通俗化してくれる文献があるなら、どんどん頼ったほうがいい」と。通俗化の上手な作家を見つけるべきと。池上さんの本などまさにこれなんだと思います。

この書籍の中で紹介されていた、阿刀田 高(あとうだ たかし)さんの『旧約聖書を知っていますか』を読んでみたのですが、これが本当に分かりやすくて読みやすくて、しかも面白い。それでいて、入門書として必要なことはしっかりおさえている、という素晴らしい本でした。このような本にたくさん触れていきたいものです。

■ネットは上級者メディアであり、非常に効率が悪いメディアであることを知っておく。

  • ネットの情報は玉石混淆で、そこから「玉」だけを選ぶのは、かなりの知識とスキルが必要。
  • 新聞と雑誌がもつ「編集」と「校閲」という重要な2つの機能が欠如している。
  • そもそもネットで入手できる情報の多くが二次情報、三次情報。
  • 関心のあることについてはどんどん詳しくなる一方で、それ以外はまるで知らないまま、どんどん視野が狭くなる。
  • 「ネットの論調=社会全体の論調」と思い込んでしまう。

私もネットでの情報収集が多く、今ではほとんどテレビも見なくなっています。即時性という面でネットはとても優れていますし、ちゃんと使えば情報源としてもとても便利なものです。が、とにかくノイズが多いという点を忘れず、注意して向き合っていかなければいけませんね。

■日本語で読める海外メディアサイト

最後に、本書には、お二人がチェックしている新聞や雑誌、国内外のWEBサイトなどのリストがまとめてあります。これだけでも一見の価値ありです。その中で、以下の「日本語で読める海外メディアサイト」がありまして、これなら毎日ざっと目を通すことくらいはできそうと思い、見るようにしています。北朝鮮情勢など、日本以外の視点を知ることは重要と思いました。

CNNj(アメリカ)
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(アメリカ)
フォーリン・アフェアーズ・リポート(アメリカ)
人民網(中国)
朝鮮日報(韓国)
中央日報(韓国)
ネナラ(北朝鮮)
ParsToday(イラン)