「池田学展 The Pen -凝縮の宇宙-」 を見に日本橋高島屋へ行ってきた。

親友夫婦に誘われ「池田学展 The Pen -凝縮の宇宙-」へ行ってきました。日本橋の高島屋に午前中に着いたのですが、何やら階段付近に人だかりが。なんと1Fから会場のある8Fまで長蛇の列!でもこれのために来たので覚悟を決めて並びます。娘も一緒だったのでちょっと心配でしたが、1時間ほどで会場入りすることができました。

展示会の概要と池田氏のプロフィール

池田学展
The Pen -凝縮の宇宙-

場所
日本橋高島屋8階ホール
2017年9月27日(水)~10月9日(月・祝)

緻密な線は脈々とつながり、壮大な希望を描いた。
超緻密なストーリーを夢中で描いた20年の軌跡。

わずか1mmに満たないペン先の線で壮大な世界を描き出すアーティスト、池田学。1日に約10センチ四方の面積しか描くことができない緻密な描写とスケールの大きな構成が、現実を凌駕するような異世界の光景を現出させ、アメリカをはじめ世界で高い評価を得ています。本展では、アメリカ・ウィスコンシン州のチェゼン美術館に滞在しながら3年かけて制作された新作「誕生」をはじめ、世界中のコレクターや美術館が所蔵する池田氏の作品を集めて一堂に展覧。画業20年の軌跡を辿りながら、池田氏の豊かな想像力の秘密に迫ります。

池田学 プロフィール
1973年佐賀県生まれ。
1998年に東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2011年より文化庁芸術家在外研究員としてカナダ・バンクーバーに滞在。
2013年よりアメリカ・ウィスコンシン州にあるチェゼン美術館の招聘を受け、滞在制作を行う。第25回(2014年度)タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞受賞。
引用

圧巻のスケールと緻密さの共存

これは撮影OKで順路の最後にある「誕生」という作品です。縦3m×横4m、三年の歳月を費やして完成したという大作です。圧巻のスケールと緻密さの共存。見る者を圧倒します。見事でした。

この写真もそうですが、会場内は大盛況で大きな作品の前はどこも混雑していました。私も娘と一緒に間近で見るようにしていましたが、いつまでも立ち止まっているわけにもいかず、名残惜しい気持ちで会場を後にしました。もっとゆっくり見たかった。

過去のスケッチにロビンマスクが

展示のひとつに、池田氏の子供のころのスケッチなんかもあったんですね。そのなかにキン肉マンのロビンマスクとかテリーマンなんかがありまして。同世代として、おお!とか思っちゃうわけです。私も子供の頃にひたすら描いていたので。で、なんとも恐れ多い話ですが、ちょっと思っちゃったわけです。「お、この頃までは俺のほうが上手かったんじゃないか」と…。でまあ百歩譲っていただいてそうだったとしても、そのあと、ですよね。そのあと何が違ったのか。こんなインタビューの記事がありました。

池田:そうですね。それと浪人中、これ以上ないくらい努力したんです。それこそスポーツの筋トレや基本練習と一緒で、デッサンを何百枚と描いた。いろんなところから資料を集めて、それと自分のものを比較して、どうやったらこう描けるんだろうと。その努力があるから、今の活動もできるんだと思います。芸術に限らず、表現したいことや才能があっても、技術が伴わなければ人に何かを伝えることはできない。死ぬほど努力して練習したという自負はあるので、それが出会いも実らせたんだと思います。
引用

そりゃそうですよね。やっぱり「死ぬほどの努力」をしてきたと。何が違うって、たゆまぬ努力の継続でした。それをやってきた人が言う「表現したいことや才能があっても、技術が伴わなければ人に何かを伝えることはできない。」これは重い言葉です。

心に残った作品は「終着」

ちなみに今回の池田氏の作品で一番心に残ったのは「終着(2009年 紙にペン、インク 20×15cm)」でした。迫力のある壮大なスケールの作品とはまた違った、あの空気感、この駅に着くまでと着いたあとを勝手に想像してしまう、シンプルだけどなんともストーリー性のある一枚の絵を、じーっと一人眺めてしまいました。

実際に足を運ぶということ

今回は地元札幌の中学時代からの親友に誘われ見に行くことになりました。このような展示会があることすら知らなかったので、声をかけてもらえて本当によかったです。3年ぶりに会えたってのも有り難いことでした。今は便利になんでもネットで済ませることができますが、たまには足を使って実物を見に行く、ということも忘れないようにしたいです。特に、娘には色々なモノを見て体験するきっかけを少しでも多く作ってあげたいですね。

池田学展、素晴らしかったです。これからの池田氏の活躍にも期待です。